ステージ2 「面白そう」から仕掛けてみる

2-2 「子どもだまし」は厳禁

「子どもだまし」になる例

プレイヤーにとって有益なアイテム、仮にコインとしますが、床にたくさん置いてあるとします。

また、それらを取るのには「時間制限」があります。どの置き方が「子どもだまし」になるでしょうか。

① とんでもなく長い直線で配置
② 取れないくらい多くのコインを床一面に配置
③ 大きな円のなかに円がある二重の配置

[図1]どの配置が「こどもだまし」?

正解は、どれも配置的によろしくなく、特に②が「子どもだまし」です。

では、いったいどこが「子どもだまし」でしょう?

それは「やってほしい」ことに選択や幅がないことに起因します。どう工夫して取っても結果が同じなら、あえてがんばってやってみようという意欲がなくなります。

見た目で正解がわからない、正解を考えようと思えないというのは「面白そう」に見えないことが多いです。

わかりやすく言えば、正しい取り方が「推理」できる置き方にしないと、「うまくできた・できなかった」がわからないまま漫然とコインを取ることになるので、挑戦する意欲がなくなるのです。

②は「どう動いてもコイン取り放題だから楽しいのでは?」「そういう感じで置かれているゲームを見たことある」と思われるかもしれませんが、「時間制限」というルールが追加されたせいで「子どもだまし」に落ちていくのです。

「時間制限」をつけるということは、「全部取りたい」と思わせる仕掛けです。

良かれと思ってコインをたくさん置いたとしても、解法がありそうだと考えて試みる分、「こんな量、全部取れるわけないじゃん」と思われたら、どうやっても結果に変わりはないので、制作者側への不信感が生まれ、次はやってくれないかもしれません。

また、①は直線が長い分、ただまっすぐ進むだけで終わりですし(真ん中から取り始めて、行って戻るなんてのは最悪です)、③は右まわりも左まわりも取るのに変化はない上に、それを2回繰り返す面倒があります(円が小さいと印象が変わります) 。

では、正解はどうすればいいのでしょう?

いろいろなやり方が考えられると思いますが、一番わかりやすくて簡単に説明できる対応は、「一筆(ひとふで)書き」ができる配置がわかりやすいとされています。書き順を考えることで正解が見えてくるので、やりがいが出てきます。

このようにゲームでは、うまくできそうな方法が「推理」できるのは、「面白そう」にもつながっていくと考えています。

「やってほしい」ことを仕掛けていくと、受けた方は真っ先に「うまくやりたい」という正解を考え始めるので、ここからうまくつながっていくと、自然と「子どもだまし」という印象はなくなっていきます。

やってほしい立場の人間として「面白そう」を考え始めると、ハッタリやごまかしが先に思い浮かんでしまうかもしれませんが、身近に刺激があふれるいまのお子さんに通用するのかは大いに疑問です。

そこに一瞬の引きがあったとしても、「やり続ける」という先を考えると、常にご機嫌取りのようなことをしても飽きられてしまうでしょう。

先の例に挙げた「それならできそう」「正しいやり方を推理したい」のほうが、自分で「やる」という意識につながるために、「面白そう」から引き続き触ってみたい気持ちにつながると考えます。

自分でアプローチを変えてできるから「面白そう」になるのかもしれません。

どちらにせよ見た目からだけではなく、最初に「やってほしい」ことの中身からも「やる」側の「印象」が変わることは意識してみてください。

ポイントまとめ

「やってほしい」〇〇を「面白そう」に見せるために、上辺だけで「子どもだまし」をしても、すぐに見破られてしまいます。

それよりも、お子さんの「やる」を意識して、親御さんなりに「やってほしい」ことを、「まずはこうしたらいいのではないか?」という、解法は考えてから提示してみるほうが効果的と考えます。

お子さんはそれを「推理」して「できそう」と感じられれば、必然的に「面白そう」につながりそうですし、混乱したなら解法へのヒントを仕掛けてみることもできます。

※本記事は、2020年4月刊行の書籍『ゲームは子育てを助けられる ゲーム制作から考える子育て攻略本』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。