ステージ2 「面白そう」から仕掛けてみる

2-3 「共感」から「面白そう」へ

親御さんが「やってほしい」○○の「印象」は大事ですが、お子さんに「子どもだまし」をしないという前提の話までしました。では、次はどうやって「面白そう」にするのかに踏み込んでいきたいと思います。

「面白そう」と聞くと、ワイワイ華やか、見ただけでワクワクする、やるときっと楽しいなどの明るいイメージが先行しそうですが、前節で出した「推理」の例を考えても、それだけではないことがわかります。映画で例を挙げれば、難解な謎解きミステリーが「面白そう」と思うときもあれば、派手な爆発や急な展開が見込めるアクションが「面白そう」と思うときもあります。

また、女子なら、男子なら、年配の方なら、若い人なら、と受け手の気分や好み次第で「面白そう」はいろいろと変わってきます。

結局はケース・バイ・ケースのようで身もふたもない話になってしまいそうですが、前節で出てきた「推理」できることは「面白そう」と考えられやすいです。これら「面白そう」となりやすくなる大事なキーワードは「共感」です。

「推理」できることも「共感」されやすいのですが、ほかにも例を挙げてみます。

ゲームにおける「共感」の例

スーパーマリオブラザーズ

遊びの元になったのは、「自然のなかで体験した野山の遊びや川遊び」です。基本アクションは「ジャンプ」で、子どものころを思い返してみると、高いとこに登ったり、何かを踏んづけた、というゲーム内と近い経験が、 あったことを思い出します。

ポケットモンスター

遊びの元になったのは、「昆虫採集」です。基本的にやることは「収集」になりますが、虫を採りながら標本にして、一覧を埋めたくなる楽しさは、いまでも通用するもので、虫が嫌いなお子さんにも広く受け入れられています。

このように、有名ゲームの遊びの核は、制作者の経験から得られていることが少なくないです。実際の記憶と体験から切り取って提示することは、その当時の楽しい「印象」が確実にあるため「共感」しやすくなっていると考えられています。また、当時の子どもが本気で向き合った遊びがベースになっていれば、「子どもだまし」も感じません。

ここで気になる点は、ゲーム制作者とプレイヤーとなるお子さんとの間には、大きな「世代差」があることです。

スーパーマリオの続編スーパーマリオワールドで、マリオが「マント」を広げて飛ぶのを例にすると、ある年代より上の方なら子どものころに流行っていた「飛ぶポーズ」としてわかりやすい形でしょう。

逆に、発売当時のお子さんにとって「マント」で飛ぶというのは、それほどピンとこないかもしれず「共感」できないようにも思えます。野山に入っての「昆虫採集」も、いまでは体験したことのないお子さんのほうが多いかもしれません。

ただ、これはいまのお子さんにとって「マント」も「昆虫採集」もやるタイミングや触れる機会がないだけであって、その「世代差」は受け入れられました。時代が変わっても「面白い」と思える核の部分はそれほど大きく変わらないという良い例ではないでしょうか。

※本記事は、2020年4月刊行の書籍『ゲームは子育てを助けられる ゲーム制作から考える子育て攻略本』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。