ステージ2 「面白そう」から仕掛けてみる

2-2 「子どもだまし」は厳禁

「印象」を良くするにはどうするか? という話から続けていきます。

お子さん相手なら「好きなキャラクターもので気を引けば……」とか「簡単に進められて、こっちがほめやすいものとかで……」とか、安易な方法が頭に浮かんだでしょうか?

これは断言できますが、いまのお子さんには「子どもだまし」は通用しません。

お子さんの持つ理解力というのは程度の差はあれ、親の想像を超えているもので、お子さんを冷静に見てもらえばわかるかと思われます。

先にも話に出しましたが、スマートフォンやタブレットから受ける情報量は一昔前では考えられないほど多いですし、検索サイトも優秀です。

それに伴い、子ども向けコンテンツであるはずの絵本・アニメ・おもちゃ、そのどれもが、いまでは大人でも楽しめるものになっています。

もちろんゲームでも設定したルールをよく理解しているので、こちらも子ども相手だからこれくらいでいいだろうと勝手な線を引いてしまうと痛い目に遭います。

さらに「子どもだまし」は、やっていくうちに「簡単すぎる」「バカにするな」「つまらない」と不満につながりやすいので、すぐにそっぽ向かれてしまいます。

ゲーム制作では、ある程度ものができてくると要素ごとに試しに遊んでもらう=「テストプレイ」というものを実施します。最初はつくっている関係者で試しますが、徐々にチーム全体に広げ、最終的にはチーム外で試します。

より完成度を高めるために「やってほしい」対象に近い年齢の方にも触ってほしいので、小さなお子さんにプレイしてもらうケースも多いです。

その際、小さなお子さんの根気や適応力にはいつも感心させられます。特に、年齢からの想像を大きく超えて、しっかりと自分の力で推理や判断をしてプレイできることには本当に驚かされます。

その上、こちらが一生懸命考えた箇所は本気でやってもらえることが多いので(当然うまくいかなかった箇所は無視されますが)、こちらも本気で返していかなければ、と気合いが入ります。

お子さんに対して本気で向き合いたいならば、子どもだからと見くびらず、こちらの本気を見せることが大事です。

「子どもだまし」でも一定の効果はあるかもしれませんが、親御さんの「やってほしい」○○は、お子さんの一生を左右するものが多いですし、長く関わっていくものであるなら「子どもだまし」の限界はすぐにやってきます。

例えば、子どもは大抵「動物が好き」だろうからと、安易に動物のゲームを出し続けていれば「売れる」でしょうか?

もしかすると手に取ってくれる確率は上がるかもしれませんが、それだけで「売れる」ということはないでしょう。

パンダを出していれば確実に「売れる」のであれば、必ずパンダを使うと思いますし、ひたすらパンダを出し続けるでしょう。ただ、それだけでは結局「子どもだまし」になります。

このように一言で「面白そう」と言っても、お子さんの好みによって大きく分かれますし、成長に伴っての移り変わりもあります。

そのため、ゲームはまず「子どもだまし」を排除します。

やる価値があるかどうかの判断は、いまではお子さんのほうが持っているとも言えます。ここで、ゲームで「子どもだまし」をしない例を紹介しましょう。

※本記事は、2020年4月刊行の書籍『ゲームは子育てを助けられる ゲーム制作から考える子育て攻略本』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。