ステージ3 「面白い」と肩を並べる「わかりやすい」

3-2 ちょうど良いルールを探す

ゲームで「シンプル」かつ「具体的」であることが、最もわかりやすく出るのは「ルール」です。「ルール」は長く複雑であれば覚えられないですし、曖昧であれば守られません。「シンプル」かつ「具体的」を手早く意識して進めるのであれば、「やってほしい」○○についての「ルール」を考えてみるとよいでしょう。

面白いゲームはルールがちょうど良くできていると言えるかもしれません。うまくできた・できなかったをわかりやすく的確に提示できますし、ダメージやゲームオーバーなどの失敗や損に関連する不利益についての判定を明確にすることもできます。これらが曖昧だと、ゲームそのものへの不信感につながっていきます。

また、「ルール」は違反を取り締まるためだけに存在するのではなく、「ルールがあることで迷いや混乱がなくなり、わかりやすいにつながっていくというポジティブな面もあります。しっかりと「ルール」が設定され認知されていれば、ミスや違反の提示に対して自然と「自分が悪い」と修正に考えが移ります。

この「自分が悪い」はゲームでは大事な誘導で、逆に「自分のせいじゃない」「ゲームが悪い」「ルールがおかしい」となると、その不信感からゲームに没頭してもらえません。これは親御さんの「やってほしい」○○でも当てはまることなのですが、では、「ルール」はどう決めていけばいいのでしょうか?

その前に、考え方から説明していきます。

ゲームで最初に「ルール」を考えるときに、よく「野球型サッカー型」に分けて話をすることがあります。

野球のルールを説明すると、1チーム9人で構成し、攻守を交互で9回交代させます。守る側はピッチャーを一人立てボールを投げる、攻める側はバッターを立てそのボールをバットで打ち……と、説明が困難な上にまったく足りていません。このように野球は論理的に考えられた独自のルールを多く用意してゲームを成立させます。

対してサッカーのルールは、1チーム11人構成で、45分で前半後半を設定し計90分間、陣地を入れ替えて試合が行われます。

一つのボールを手を使うことなく蹴り進め、相手陣地に設置されたゴール枠内にボールを入れたら得点となり勝敗を決します。ゴール前にのみ一人だけ手を使っていいキーパーというプレイヤーを配置し……と、このくらいの説明で基本的な要素を網羅できることから、サッカーは直観的でシンプルルールでゲームを成立させます。

これは善し悪しの話ではなく、「ルールが論理的か直感的かという性質の差を表しています。ざっくりした言い方に変えますと、野球はつくる人が頭をひねって考えた「ルール」、サッカーはやりたいことだけを組み込んだ「ルール」と言えます。ここからわかる通り、「ルール」の設定と提示の仕方によって「わかりやすい」という「印象」は大きく変わっていきます。

ちなみに、サッカーのほうが「わかりやすい」ですが、3点差を一気にひっくり返すことができる面白さは野球の「ルール」にあります。

親御さんが「やってほしい」○○での「ルール」も、お子さんを取り締まるためではなく、お子さん自身で判断ができるわかりやすい状態をつくるために役立てると考えたほうが良さそうです。この日常の「ルール」というのは、事前に決めておく「約束」になります。