俳句・短歌 歴史・地理 歌集 古事記 2020.08.23 歌集「古事記物語・異聞」より三首 歌集 古事記物語・異聞 【第7回】 松下 正樹 私たちの太陽(アマテラス)はどこへ行ったのだ? 日本人の原像がまざまざとよみがえる。 日本最古の史書『古事記』に登場する神々の世界を詠う、他に類を見ない叙事的な歌集。叙情的な文語と明快な口語を絶妙に組み合わせながら、神々の悲哀と愛憎をつぶさに表現する。 日本の神々は、民と交わり、民とともに働き、人間同様死にゆく存在でもある。 王国の成立と興亡の歴史が秘められた『古事記』の世界を、人々の悲しみと喜びを歌で再現。日本人の原点の物語を連載でお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 地下ふかく黄泉の国あり亡き人の 往かねばならぬ掟ありけり *黄泉の国 死者の魂が行く所。 帰れない掟にしたがひ伊耶那美は 黄泉の国へと旅立ちゆけり 伊耶那岐はありし日の妻の面影を どうしても忘れられなかった
エッセイ 『59才 失くした物と得た物』 【新連載】 有村 月 結婚してから35年、「愛」はなくとも「情」は生まれる ダンナが死んだ―まさかの現実。自覚はなかったが、この時から私の「おひとりさま」は始まろうとしていたようだ。たしかにダンナは肝臓の数値が悪いと1ヵ月半入院したものの退院、体力も少しずつ戻りはじめ還暦祝の1泊旅行もし、そのたった1週間後にはこの世からいなくなるなんて、頭の中のすみっこにさえなかった事。よくいう野球の九回裏2アウトからの逆転満塁ホームラン的な。その1年半前、最愛の母が「くも膜下出血」で…
小説 『柴犬回想記 真珠湾の静寂vsワシントンD.C.の喧噪』 【第15回】 坂田 憲治 日本の役所が法案や改正案で好んで使用する「…等」と同じ「subject to」「of course」 〈我輩の違和感〉●「米国の修正を経たる後」と訳されているこの日本語案は明らかに無理がある。subject to という条件は「米国側だけ」ではなく「日米双方」に同時並列に付く条件で時間の後先はない。しかもその条件が「米国側は修正」に対し、「日本側は公式・最終決定」と両国で異なるところに問題がある。これは「日米共に相互に修正条件」とするか「日米共に相互に公式且つ最終決定条件」とするかいずれかにすべ…