2章 第一の関門――筆記試験への挑戦

2 保育原理

「保育原理」の勉強の工夫

一科目目の「保育原理」では、「保育」の基礎を学ぶ。当然、この科目は九科目の基本でもあるので手堅く合格しないと、先の科目へとは進めない。

ここでは保育の概念や、保育士の目指す理念や保育所の目的やルール、設置基準をきちんと理解しているか、が問われる。したがって「保育所保育指針」や「児童福祉施設の設備と運営に関する基準」といったルールを十分理解しないとまずい。

そして一六世紀からの欧米での保育施設の先駆者や保育の研究者や実践者の足跡を頭に入れること、また明治維新以降、日本での先人たちが貧しい子どもたちのために孤児院や保育施設や幼稚園を創設したり、障害児のための施設を設立した実績も出題される。「保育原理」はきちんと勉強すれば、取りこぼす科目ではないだろう。

児童の最善の利益を第一に考える

一九八九年に国連にて採択された「児童の権利に関する条約」で、次の二点が規定された。

1. 児童の措置をとる場合、すべての社会福祉施設、裁判所、行政、立法機関は「児童の最善の利益」を主として考慮すること。つまり、大人の利益を優先せず、子どもの人権を尊重すること。

当然と言えば当然であるが、本当に実行されているだろうか。

2. 子育ての第一義的な責任はその子の保護者にあるが、国にも、その子育てを援助する「公的責任」があると規定。保護者は当然だが、国にも責任があるとした点が大きい。

また一九五一年、日本は「児童憲章」で児童の権利と保護を次のように規定している。

「われらは、日本国憲法の精神にしたがい、児童に対する正しい観念を確立し、すべての児童の幸福をはかるために、この憲章を定める。

・児童は、人として尊ばれる。
・児童は、社会の一員として重んぜられる。
・児童は、よい環境の中で育てられる。」

保育所保育指針

では保育所は、どのようなルールや基準に基づいて、全国レベルの一定の運営品質を保証されているのか。それが、「保育所保育指針」である。保育所保育指針とは、保育所における保育の内容や運営について定めたもので、厚生労働大臣が定めた指針であり、法的拘束力をもつ。保育所保育指針は、認可保育所のみならず、家庭的保育事業や認可外保育施設などの保育現場でも、参考にするよう望まれている。
 

※本記事は、2018年8月刊行の書籍『じーじ、65歳で保育士になったよ』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。