ステージ1 「やってほしいこと〇〇を深く考える

1 -1 「やってほしいの核となるコンセプト」     

ゲームの根幹は、「一目見たら、その面白さがわかり、手に取れば夢中で遊べる」が指針になります。言葉通りに「やってほしい」○○が「夢中に」なってもらえれば、親御さんも安心できると考えます。まずは言葉の前半部分「一目見れば、その面白さが伝わり――」から考えていきたいと思います。

ゲームにしても親御さんの「やってほしい」ことにしても、興味を持ってもらえないことには何も始まりません。ただし、だからといって「奇をてらうことはしません。

もちろん見た目にインパクトを持たせたり、流行りのシステムや技術を使うことは有効かもしれませんが、中身がともなわない「ウケを狙う」ことから始まってしまうと安心や安定から離れ、肝心の「最後までやってもらう」ことにつながらないからです。そのためにはまず、「コンセプトを決めることが大事です。

ゲーム制作では、お客さんに「やってほしい」ことの、「核」や「軸」となるポイントを明確に決めることから始めます。

ゲームにおいて「コンセプト」がないことは「狙いがない」ことと同じなので、何を「やってほしい」ゲームなのか明確になりません。「コンセプト」がなくても、たまたま面白くなったりすることがあるかもしれませんが、そんな運任せに頼っても大ヒットする可能性は低いですし、経験上、必ず制作途中で行き詰まります。

「コンセプト」という単語を辞書で調べてみますと、だいたいこのように載っています。

コンセプト

1─概念。観念

2─広告・企画・新商品などの全体を貫く

新しい観点・発想による基本的な考え方。それを表した主張。

引用:明鏡国語辞典 第二版より

難しそうな言葉に見えますが、つくりたいゲームの説明を「○○なゲームとするなら、○○にあたるものだと考えてください。架空のゲーム内容を例に挙げてみます。

●自分の体「そのものが武器」となり、それを切り替えながら大群と戦うゲーム

●多彩な「ジャンプ」アクションを駆使して、囚われた姫を助けに向かうゲーム   

●自分にとりついた「天使と協力して」運命の人と恋愛を成就させるゲーム

適当な例なので面白そうに聞こえないことはご容赦いただきたいのですが、面白そう面白くなさそうとわかることが重要です。このようにゲームの前に明確な説明がつけられるということは、「やってほしい」ことも明確になっていることになります。

ゲームのジャンルや「やってほしい」内容でさまざまに変化しますが、この説明でポイントが絞れていなかったり端的に説明できていなかったりすると、あれもこれもやりたいだけの軸ができていないゲームという扱いになります。

良くない例で言えば、

●いまだかつて見たことない、センセーショナルなゲーム

●みんなでワイワイ楽しめ、一人でもやりこめるパーティゲーム

といった感じでしょうか。説明がかなり曖昧な上にジャンルやゲームの内容がイメージできないため、内容はどうとでも変わりそうな印象です。

この「やってほしい核の部分を、ゲームではコンセプトと言います。目的を達成するために最後まで貫く目標です。「コンセプト」はゲームに特化したキーワードではなく、ビジネスやほかのエンターテイメントでも広く考えられていることです。

夢中でプレイしてもらえる「面白い」ゲームは、「やってほしい」ことが明確で「コンセプト」がしっかりしています。「センセーショナル」「いままでにない」といった曖昧な表現は最後までフラフラしたままとなり、なかなか「面白い」とはなりにくいのです。

ただ、いきなり「コンセプト」を理解しようとしても、考えすぎて手が止まってしまうかもしれないので、ここではひとまず「やってほしい」ことを端的にまとめる「コンセプト」というものがどうも大事らしい、とだけ頭に入れていただければと思います。

※本記事は、2020年4月刊行の書籍『ゲームは子育てを助けられる ゲーム制作から考える子育て攻略本』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。