ステージ1 「やってほしい」こと〇〇を深く考える

1-1 「やってほしい」の核となる「コンセプト」

では、なぜ「コンセプト」が、ゲーム同様に子育てでも大事だと考えるのか? 最初に考えることは、ゲームではつくっていくうちに「あれも」「これも」やらせたくなってくる点です。

これは、子育てでもよくあることではないでしょうか?

お子さんが○○をできたとしても、親御さんが先のことやほかのことに気がいってしまい「△△もお願い」と積み上げてしまう、そんなことはありませんでしょうか? 

「やってほしい」○○が曖昧だから起こるのですが、延々と積み上げられたお子さんは、親の「やってほしい」には終わりがないと感じてしまいます。

ゲーム制作の指針にある「一目見たら、その面白さがわかり、手に取れば夢中で遊べる」の「一目見たら」は、まさにこのことを意味しています。的確に要点を絞り、何が一番大切かをはっきりさせるのです。

また、いざ「やってもらう」を進めてみても上手くいかないケースが多くあるため、迷走することが起こり得ます。そんなときに、そもそも何を「やってほしい」と思ったのか立ち返るために、定めた目標である「コンセプト」が必要になるのです。

日常にありそうな例を挙げてみます。

「やってほしい」○○で使う「コンセプト」の例

「ピアノの習いごとを、小学生6年の間、楽しんで続けること」

<起こったトラブル>

  1. ピアノの習いごとは週2日間ある。
  2. 塾やほかの習いごとも含めると週5日間の予定が埋まってしまう。
  3. ピアノの練習を続けるのは大変なので、ピアノを辞めたいと言ってきた。

<コンセプトに立ち返る>

「ピアノを楽しんで続ける」が核であり、優先すべきことなのでピアノを続けられない+楽しめなくなった地点で、再考しなければいけない。

<考えられる対策>

  1. 「ピアノ」が優先であれば、塾かほかの習いごとを辞め問題をシンプルにする。

  2. 「続ける」を優先であれば、週2日ではなく週1日に減らす。

  3. 「楽しむ」を優先であれば、レッスンやノルマが厳しくない場所に変える。

このように、状況の改善や問題の解決を考える元になる「コンセプト」を明確にしておくと、優先すべき判断材料があるので、その対策が効果的に整理できます。

判断もしないまま「いいから、頑張りなさい」と返してしまうと、その場しのぎになるだけで、のちに問題が大きくなって返ってきます。しっかり「コンセプト」を持っておくと判断での迷いが減るということは、押さえておいてください。

例で1~3と対策が三つに分かれてしまったのは、「コンセプト」内でより重要なポイントが絞れてないからでもありますが、このくらいの数に問題を解決するための判断が減らせれば、お子さんと相談して決めることは容易になってくると考えられます。

端的に「コンセプト」を決めることは難しいかもしれません。まずは「やってほしい」○○の目指すところだけでも明確に決めてみる、から始めていきましょう。

ポイントまとめ

お子さんのために、あれもこれもやらせたい気持ちはわかりますが、一度にできることはそう多くありません。

限られたなかで「やってほしい」〇〇を確実に進めるためには、親御さんが判断するための明確な核となる「コンセプト」を決めることが最優先だと考えます。

お子さんの個性や置かれている状況に合わせて考え、しっかりとした「コンセプト」を決めていきたいところですが、適当に決めたり内容が曖昧になると、後で必ず行き詰まります。

とはいえ、簡単に決められるものでもないので、まずは「やってほしい」ことの方向性だけでも決めてみてください。

※本記事は、2020年4月刊行の書籍『ゲームは子育てを助けられる ゲーム制作から考える子育て攻略本』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。