⑥ 日本の気温上昇

地球の気温は今、先に触れたように、温暖化の影響を受けて地球全体が上昇傾向にありますが、実は日本の気温上昇傾向は、深刻な状況にあります。

世界の年平均気温は、100年あたり0.72℃の割合で上昇していますが、日本の平均気温は、1898年以降で100年あたり1.10℃の割合で上昇しています。世界の気温上昇の平均より0.38℃も高いというわけです。

また、2016年の日本の年平均気温は、1898年以降で最も高い値になっています。なぜ、日本の気温上昇が世界の平均に比較して高いのかというと、やはり地球温暖化により世界的に気温の上昇率が大きい北半球の中緯度に、日本が位置しているためだろうと、気象庁ではみています。

日本の気温の変化や、気象変化としては、次のような傾向が顕れています。

・夏の夜間の最低気温が25℃以上の熱帯夜の増加

・1日の最高気温が35℃以上の日が増えている

・1日の最低気温が0℃未満の冬に値が少なくなっている

・ 雨量では、1日に降る雨の量が100ミリ以上という大雨の日数が、長期的に増えている傾向にある

・日本沿岸の海面水位は、1980年以降上昇傾向にあり、特に2016年は、1981〜2010年の平均値に比べ73ミリも高くなり、1960年以降で第1位の値を更新した。但し、1971〜2010年の期間で1年あたり1.1ミリの割合で上昇し、1993〜2010年の期間に、1年あたり2.8ミリ割合で上昇しており、これは世界の海面水位の平均の上昇率と同程度である。

・台風(最大風速が秒速17.2メートル以上の北西太平洋の熱帯低気圧)については、その発生個数、日本への接近数、上陸数においては、長期的な増加や減少傾向はみられなかった

・ さくらの開花日の変化として、1961〜70年の1960年代と、2001〜10年の2000年代の桜の開花日を平均して比較すると、開花ラインが北上していることが知られた。1960年代の4月1日では、三浦半島から紀伊半島にかけての本州太平洋
沿岸と四国、九州で開花していたが、2000年代では、関東甲信越、東海、近畿、中国地方での開花がみられるようになっている。

 



日本の気候が、将来的にどのように変化していくのかという、100年後の気候予測を気象庁が出していますので、それを紹介しておきましょう。

・気温は現在よりも3℃程度高くなる。予測される気温の上昇は高緯度ほど大きい

・全国平均の年降水量(雨または雪の量)は増加する。これは、地球温暖化によって、大気に含まれる水蒸気量が増えることなどによると考えられる

・北海道の内陸部などでは雪の量は現在と同程度か増える。これは、温暖化が進んでも依然として気温が低いためと考えられる ここまで見てきたように、日本の気温、気象が、21世紀に入ってから著しく変化している傾向がみられます。

地球温暖化がさまざまな影響を及ぼしていると考えられますが、温暖化にとって最も大きな要因となっている二酸化炭素などの温室効果ガスを排出する場合、エネルギーのバランスと経済発展を重視して、グローバル化が進展する社会を想定しつつ、規制していくことが重要だと言えましょう。

※本記事は、2018年6月刊行の書籍『EARTH 2050』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。