⑤ 世界の気温上昇

地球の気温は今、地球温暖化の影響を受けて上昇傾向にあります。世界の年平均気温は、1891年以降では100年あたり0.72℃の割合で上昇しています。

2016年の世界の年平均気温の偏差は、1891年の統計開始後、最も高いプラス0.45℃という数値が出ていて、2014年以来3年連続の高温記録の更新となっています。

年平均気温の数値の偏差の算出は、陸域における地表付近の気温と海面水温の平均値により出していますが、1990年代半ば頃より、偏差がプラスの傾向とともに異常に高くなっています。

ちなみに、気象統計が実施された、1891年の世界の年平均気温の偏差はマイナス0.63℃で、そのマイナスの数値は、1989年のマイナス0.10℃まで100年近く続いてきました。

その後、1990年に一度プラス0.04℃となりましたが、次の年の1991年にはまた、マイナス0.02℃になったのです。しかしそれも長く続かず、1997年にプラス0.09℃の数値が出て以降は、ほぼプラスの傾向となり、2001年に、プラス0.12℃になってからは、2016年までプラスの上昇傾向の数値が続いている状況にあります。

また、北半球の年平均気温偏差はプラス0.59℃、南半球の年平均気温偏差はプラス0.31℃で、北半球、南半球ともに最も高い値になっていますが、北半球の気温上昇の方が深刻のようです(国土交通省気象庁統計)。

地球温暖化が心配されていますが、このような世界の年平均気温の上昇傾向にある具体的数値をみると地球の未来は、温室になってしまうのではないかと、憂いざるを得ないと言えましょう。

さて、世界の年平均気温が上昇している現状を踏まえ、地球規模の気候変化は今後どのようなものになるのか、世界中の研究機関がそれぞれに開発、研究した気候モデル等を使い、コンピュータによるシミュレーションを行っています。

実際には、温室効果ガス排出による地球温暖化により、大気中のその濃度の予測に難しい面もありますが、「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」による、第5次評価報告書(2013年)で、気温について、次のような予測がされています。

・21世紀末の地球の平均気温は20世紀末に比べ、温室効果ガスの大幅な削減を行った場合は約0.3〜1.7℃、非常に高い温室効果ガス排出量が続いた場合は約2.6〜4.8℃上昇する

・気温の上昇の程度は地域によって異なり、陸上や北半球の高緯度で大きくなる

・今後の温室効果ガスの排出量が多いほど気温の上昇が大きい

また、非常に高い温室効果ガス排出量が続いた場合、海面水位は21世紀末に約45〜82 ㎝上昇すると予測されており、今世紀中頃までに北極海の氷が夏季には完全に融けてしまう可能性が高いという予測もされています。

この報告書ではさらに、極端な高温や大雨の頻度が増加する可能性が高いと、予測していますが、現在世界中で異常気象の報告があり、それを考えると警告の意味合いもあるのではないでしょうか。2018年の1月より寒気が強まったことについては、ペルー沖の「ラニーニャ」により誘発されており、こうした現象は過去にも何回となくありました。

※本記事は、2018年6月刊行の書籍『EARTH 2050』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。