さくさくと砂のふれあふ音はして 砂丘歩めど踏みごたへなし
絶え間なく吹く海風に砂うごき まろき砂丘はうねり涯(はて)なし
蟻たちの連なるやうな人の列 海を見おろす砂丘を歩む
歌集 秋津島逍遥【第54回】
“忘れえぬ旅をまたひとつ三十一文字に封印す”
――日本の面白さに旅装を解く暇もない
最果ての無人駅から、南の島の潮の香りまで、まだ見ぬ土地に想いは募る。
尽きせぬ思いが豊かな旅情を誘う、味わい深き歌の数々を連載にてお届けします。
さくさくと砂のふれあふ音はして 砂丘歩めど踏みごたへなし
絶え間なく吹く海風に砂うごき まろき砂丘はうねり涯(はて)なし
蟻たちの連なるやうな人の列 海を見おろす砂丘を歩む