明治期の民家が甍をつらねたり べんがら格子なつの陽に映ゆ

*べんがら 赤い塗料。

 

軒ひくく古りし家並の畳屋町 たたみ打つ音絶えて久しき

 

人の苦をすくふちかひにみ仏の むすびし指は空にさだまる

※本記事は、2019年9月刊行の書籍『歌集 秋津島逍遥』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。