八丈の島のどこにも石蕗咲きて
 荒れはじめたり沖つ白波

*石蕗 つわぶき。キク科の常緑多年草。

 

吹く風はひびきをあげて白波の
 礁を洗ふ八丈島の磯

*礁 海面に見え隠れする岩。

 

八丈富士ひろがる裾野黒牛の
 牧に流るるしぐれ迅しも

*しぐれ 秋の末から冬の初めにかけて降ったりやんだりする小雨。

※本記事は、2019年9月刊行の書籍『歌集 秋津島逍遥』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。