葉ざくらにまぎれて残るをりをりに
 風にこぼるる白き花びら

 

幾ところ草焼く煙にほひたつ
 春の吉備路の畦みちをゆく

 

青空に吸ひ込まれたる五重の塔
 菜の花畑のなかに聳ゆる

*備中国分寺 奈良時代(七四一年)聖武天皇の発願により、国ごとに造営された国分寺の一(ひと)つ。高さ三十四メートルの五重塔は、江戸時代(一八四四年)に建立された。

※本記事は、2016年7月刊行の書籍『歌集 旅のしらべ 四季を詠う』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。