2A夕暮れのいたう霞渡るほど、つらつき、いとらうたげなる若草の若紫の髪をかきなでつつ、この尼君、 ◆ねび行(ゆ)かむ 行く末(すゑ)知らぬ 初草を 見送る露ぞ 見つる先無き 【現代語訳】夕暮れのひどく霞が辺りに掛かる時に、お顔付きがいかにも愛らしく、若い芽吹きの感じの若紫の君の髪を掻き撫でながら、この尼君の詠んだことは、◆これから成長して大人になる将来のことは今分からない、この幼い孫の若紫の君だ…
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