エッセイ 俳句・短歌 短歌 俳句 家族 2023.12.01 母の背に おぶられ聞いた あの歌を あの日にもどり 今口ずさむ 歌集 いのちの名 【第2回】 出島 美弥子 いのちの名 あなたにキミに 願い込め パパママ祈る 幸多かれと この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 「両親の愛」と「自分の成長」をテーマに、あたたかく、ときにおちゃめな言葉で紡ぐ、二つのエッセイと九十の短歌。※本記事は、出島美弥子氏の書籍『歌集 いのちの名』(幻冬舎ルネッサンス)より、一部抜粋・編集したものです。 わたし 母の背に おぶられ聞いた あの歌を あの日にもどり 今口ずさむ 世界一 お世話になった あなたへの 心を込めて 感謝状 はじまりの 人生ゲーム しあわせを 後半戦で いざつかみとる 【前回の記事を読む】とても仲の良い、お互いを思いやる素敵な両親。母が去り、追うように父も去った
エッセイ 『59才 失くした物と得た物』 【新連載】 有村 月 結婚してから35年、「愛」はなくとも「情」は生まれる ダンナが死んだ―まさかの現実。自覚はなかったが、この時から私の「おひとりさま」は始まろうとしていたようだ。たしかにダンナは肝臓の数値が悪いと1ヵ月半入院したものの退院、体力も少しずつ戻りはじめ還暦祝の1泊旅行もし、そのたった1週間後にはこの世からいなくなるなんて、頭の中のすみっこにさえなかった事。よくいう野球の九回裏2アウトからの逆転満塁ホームラン的な。その1年半前、最愛の母が「くも膜下出血」で…
小説 『猫の雨傘と僕のいる場所』 【第2回】 倉澤 兎 職場の人間関係(特に女性)に疲れ、四年ほど勤めた会社に辞表を提出した 紀伊半島を巡る「紀勢本線」が全線開通したのは意外と遅い。昭和三十八年で、僕が生まれて二年後のことである。小学生の頃には、「DD51」と呼ばれるディーゼル機関車が客車両を牽引していた。この機関車が牽引する青や茶色の貨物車両の長い重連が、山間(やまあい)の木々の間を縫って敷設された路線の上を走行していく。その姿を小学校の二階にある図書室の窓から眺めることができた。「佑君。また汽車眺めているん。どこが…