2章 第一の関門――筆記試験への挑戦

5 児童家庭福祉

ひとり親家庭・養育費

最近ひとり親家庭が増えているが、その原因は親の死別よりも、離婚のほうが圧倒的に多い。つまり離婚の比率は母子世帯で八一%、父子世帯で七四%である(二〇一一年、全国母子世帯等調査結果報告)。

離婚の際に、ひとり親家庭に養育費が適切に支払われているかどうかが、その後の子どもの福祉について重要な問題になっている。

行政は、ひとり親家庭に養育費の支払いが円滑に行われるように、いくつかの施策を実施してきた。

①二〇〇二年に母子及び寡婦福祉法を改訂し、養育費支払い責務を明記した。

②二〇〇七年に養育費相談支援センターを設立し、養育費の複雑な相談に応じている。

③ 二〇一一年の民法改正で、離婚後の子どもの監護について必要事項として、親子の面会や、子どもの監護に要する費用の分担につき、条文上に明示されることになった。また、離婚届に、面会交流と養育費の分担の取り決めの有無をチェックする欄がもうけられた。

児童虐待問題

児童への虐待は、とても大きな問題であるが、多くの人たちにとって、正しく認識されていないのが現実だろう。私自身も保育士としての勉強を通して初めて理解するとともに、その問題の深刻さを知った。

二〇〇〇年に児童虐待防止法(正式には児童虐待の防止等に関する法律)が制定された。全国の児童相談所に持ち込まれた児童虐待の相談件数は二〇一二年では七三、八〇二件で、年々件数は増えている。

驚いたことに、虐待者(虐待をする者)の五五%が実母である。一方、父親(実父と実父でない父)の虐待は四〇%である。

児童虐待防止法では、児童虐待を「保護者が、その監護する児童について、①身体的虐待、②性的虐待、③ネグレクト、④心理的虐待の行為をすること」と定義している。

また厚生労働省の「子ども虐待対応の手引き」によると、この四分類の具体例は次のような補足説明がある。

① 身体的虐待:打撲傷、あざ、骨折、刺し傷、たばこによる火傷、戸外への締め出しなどの行為など。

②性的虐待:子どもへの性交、子どもに性交を見せる、子どものポルノなど。

③ ネグレクト:子どもが病気でも病院に連れて行かない、子どもの食事や衣服や住居に無関心や怠惰など。

④心理的虐待:言葉による脅かし、配偶者や家族への暴力や暴言など。

※本記事は、2018年8月刊行の書籍『じーじ、65歳で保育士になったよ』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。