過去の失敗も今を懸命に生きることで乗り越えることができますし、それが未来への展望につながっていくのです。その結果、過去の失敗すらいい思い出に変わっていくのではないでしょうか。

人生を形づくるためには“道具”が必要であり、それは“今”をおいてほかにないと得心した瞬間がありました。それが「過去、現在、未来というが、私たちにあるのは常に今しかない。今が移動しているだけである」という言葉につながったのです。

誰でも一所懸命生き抜こうとすれば、このように人生の指針となるような言葉をいくつか持つようになります。人はさまざまな経験を経て、いくつかの言葉にめぐり合いますが、自分の体験だけで価値ある言葉を生み出すのには限りがあります。

そうしたときは古今東西の人物から学べばよいのです。彼らも一生をかけて「ある言葉」にたどり着いているのです。人が真剣に課題に向き合い、時間をかけてたどり着く言葉は、表現方法は違うものの、その内容はよく似てくるものです。

私は人生にとって“今”との向き合い方がいかに重要であるかを理解し、先に述べましたような言葉をつくり出しました。その後さまざまな書物から“今”に対する同じような考え方をいくつか見出しました。

未来は今日であり―明日は存在しない! 救いの日は“今(now)”であり―現在を、今日を誠実に、真剣に、先を考えずに生きることが、未来への唯一の保障となる。(ウイリアム・オスラー)※注1