産卵をみとどけしわれら海亀の 後追ひもせず茫然とゐる

 

砂浜に抱かるる卵 二月を 地熱に温められて孵らむ

 

砂浜に孵りし子亀夜を待ちて 渚をめざしていっせいに駆ける

※本記事は、2016年7月刊行の書籍『歌集 旅のしらべ 四季を詠う』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。