現し身のほそるおもひに産みし卵 壊さるるまじ砂かけて埋む
*ほそる(細る) やせる。
前足も後ろの足も砂かけて うづめる仕草やさしかりけり
あやまたず卵をうづめて帰りゆく 砂かき分けし足跡残す
※本記事は、2016年7月刊行の書籍『歌集 旅のしらべ 四季を詠う』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。
歌集 旅のしらべ 四季を詠う【第31回】
季節に誘われ土地を巡る尊きいのちを三十一字に込める
最北の地で懸命に生きるウトウ、渚を目指していっせいに駆ける子亀……曇りなき目で見つめたいのちの輝きを綴る短歌集を連載にてお届けします。
現し身のほそるおもひに産みし卵 壊さるるまじ砂かけて埋む
*ほそる(細る) やせる。
前足も後ろの足も砂かけて うづめる仕草やさしかりけり
あやまたず卵をうづめて帰りゆく 砂かき分けし足跡残す