海亀に寄せて

三十年の月日を経てもあやまたず この産土に還りたまはな

*海亀は、三十年後、同じ浜に来て、産卵すると云われる。

 

風はらむ白き帆を張る北前船 板に描かれいまも沖ゆく

*石川県羽咋(はくい)にある福浦港は、江戸時代において北前船の停泊港だった。
金比羅神社に奉納された大きな板に描かれた帆船が印象深い。

 

「買うてな」と訛る媼のやはらかな 声に寄りゆく輪島の朝市

※本記事は、2016年7月刊行の書籍『歌集 旅のしらべ 四季を詠う』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。