よるべなき流人といへどふつふつと
 胸血のさわぐ三十三歳

 

八丈島に二人の吾が子をともなひて
 置きどころなき情やはらぐ

 

舟形を作りて祈りし豪姫の
 熾しき念ひ海をわたらむ

*舟形 船形光背。仏像の光背で船の形になっているもの。

※本記事は、2019年9月刊行の書籍『歌集 秋津島逍遥』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。