それから、首から上がないって気付いて……私、変なんですけど、その自分をどこかから、今の自分が眺めていて、ギャーって叫んで、そこで、目が覚めたんです」

優子は両手を胸にあて、青ざめた顔で話した。

「とてもリアルで、今思い出しても恐いです」と言って、今度は両手を口にあてた。柚木は考え込んだ。

「首がない……少女だった……裸か……」と、柚木は、独り言のように言った。

「奥宮さん。中学生時代、貴女は何か悩んでいましたか?」

優子は少し考えた。

「悩んでいると言うより、淋しかったです。学校では大人しい優等生ってみられていて、友人もいませんでした。進学のために、みんなは塾へ行ったりしていましたが、私は特に受験勉強はしませんでした。父がそれでいいって。女の子だから、進学校へ行かなくていい。女子高へ行って、女子大を出たら、それでいいって。……でも、母はちがったかもしれません。何も言いませんでしたが。ただ……」
「ただ、ただ何ですか?」
「孤独でした。両親が仲が良くて。一人っ子だから、可愛がられたでしょって、よく言われるんですけど、私は、父と母から孤立していました。二人の中には、入っていけませんでした。思春期の頃、特に淋しかったです」

※本記事は、2020年4月刊行の書籍『追憶の光』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。