うす陽さし人はまばらに行きかよふ
 風花の舞ふ稚内駅なり

*風花 晴れた空から粉雪が舞うさま。

 

冬の海避けてひしめく海豹の
 抜海港に舫ふ船なし

*舫ふ つなぎとめている。

 

鼻先の髭すりよせてのびあがる
 雌雄の海豹にさいはひありき

※本記事は、2019年9月刊行の書籍『歌集 秋津島逍遥』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。