もう一つは,理科と工業の両方の教員免許が取れる大学を探しました。もちろん自分の実力を基盤に,国立から私学まで探しました。

しかし,理科(中学と高等学校)と工業(高等学校)の両方が取得できる大学はほとんどありませんでした。自分の実力を考えると,とても国公立の大学は困難と想定されましたし,教員免許取得は,教育学部(教員養成学部)が主体でした。

工業科の免許は,現在では中学校技術科の取得コースなどで取れるようですが,当時ははっきりしませんでした。どうしても,理科と工業科の両方を取得するには,大学そのものがあまりないことが分かりました。

私立は,関西地区を考えました。岐阜県からは特に,私立大学は,東京を中心とした関東地区,そして愛知県内の大学に進学する人がほとんどでした。関西系は京都市内の大学に行く人は割といたような気がしますが,大阪府内の大学に進学する人はほとんどいなかったように思います。

私は,東京や関東地方に行く勇気と資金がなく,しかも岐阜県には工学部系の大学はありません。恵那市はJR中央線というのがあって,距離(70Km程度)はありますが,乗り換えなしで,1時間10分前後で大都会の名古屋市に行くことができます。

山間部の地方のわりには,便利が良いと思っています。それでも愛知県内は,地元の感じがするので外に出た方が良いと思ったのです。

そこで外に出る感覚でいくつかの大学を検討し,様々な困難を乗り越えて,最終的に「近畿大学理工学部応用化学科」に進学することになりました。

「高等学校助教論免許状・理科」(大阪府)を取得し大阪商大堺高等学校非常勤講師を務め,卒業時,中学校1種理科,高等学校1種(理科・工業)をスタートし,のちに,小学校,中学校の取得及び上級免許にしていきました。後のD生活, Fまとめ のところで書きたいと思います。

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