Ⅰ.人間の最大の死亡原因は何か?

1 罹患原因の存在しない病気はない

“臭い物に蓋”ですべてをすませてはいけない

さて、“臭い物に蓋”という言葉を皆さんは耳にされたことがおありになると思いますが、家の中で臭くなりやすい場所というと、トイレと台所と大体相場は決まっています。多くの人は、その場所の臭いを気にしなくても良いレベルにするために、消臭剤を用いたり、水に流したりして、すべてはすんだこととします。

今日の日本のトイレはほとんどの地域で水洗式のものに変わりました。したがって、近年は糞便のことを、ごくたまに「汚ない」「臭い」などと口にするぐらいなもので、人々が糞便に対してそれ以上の関心を持つことは非常に少なくなっているというのが実状です。

生活様式の変遷からもたらされた変化がなんらかの問題を起こす元凶にならないのであるならば、別に特別な関心を持ち続ける必要はありません。しかし、それが原因で非常に大きな問題が起こるのであれば、とことんそのことの因果の詳細について詮索する必要があるはずです。

さて、私は、団塊の世代の人間で、「汲み取り屋さん」を覚えているほとんど最後の世代です。戦後間もなくの物のなかった時代には、人間の糞尿を農作物の肥料として利用していて、各ご家庭の住人が出した排泄物を集めることを職業とする「汲み取り屋さん」と呼ばれる人々が存在していたのです。

その汲み取り屋さんのおじさんが言った言葉に、“お大尽の家の便所は貧乏人の家の便所よりも遥かに臭い”というものがありました。そして、その臭い便所のお大尽の家のご主人が変な病気(ガン)で亡くなったというのです。

なお当時は、ガンで亡くなる人は今よりかなり数少なく珍しかったのでした。飛躍的な経済的発展を遂げた今日、美味しい食べ物は日本中にあふれています。したがって、お大尽でなくとも美味しい物を頻度高くたくさん食べることができます。そして今日、ほとんどの家庭のトイレは水洗となりましたので、トイレで排泄された糞便の臭いを確認することはできませんが、おそらく一昔前に比べて日本人の排泄する糞便は遥かに臭くなっているのだろうと私は推察しています。

本書においてはこの後、食べた物の体内における腐敗産物が両発作の根本原因であるということを取り上げていきますが、我が国においてはガンが死因のトップにのし上がった今日、この同じ腐敗産物の、ガンことに消化器系ガンの根本原因としての関わりについての詳細を明らかにする必要性を私は強く感じております。そのことから見ても、汲み取り屋のおじさんの言った一言は、急所を突いていたことが十分考えられるのです。

※本記事は、2020年3月刊行の書籍『殺人うんこ』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。