Ⅰ.人間の最大の死亡原因は何か?

1 罹患原因の存在しない病気はない

我が国の特異な死亡原因疾患発生傾向

その一方で、節制に努めるのに必要十分な情報が不足していることも危惧されます。すなわち、両発作が突如発症し自覚症状が段々と激しさを増してきたと感じても、そのような事態発生時に何をなすべきか、また、その事態発生の原因とメカニズムとはどのようなものなのかが、“なるほど!”と理解、納得できるだけの十分な根拠をもって示されていないのが今日の実状であるのです。

病気の治癒率を上げるためには、発症後できるだけ速やかに理論的裏付けの十分にある適切な処置のなされることが肝心ですが、これがなかなか実行することのできない状態に現在はあるわけです。したがって、これができるようにならないと何十%というほど大幅に治癒率を上げることは難しいと私は考えています。我が国におけるこの近年の食生活内容の大きな変化は、両発作に関してはその死亡率の大幅な減少をもたらしました。

しかしその代わりに、ガン、ことに消化器系臓器のガン(さらにはまた、過去には日本人には少なく欧米人に多かった種類のガン)に罹患する日本人の近年の大幅な増加を招いたと私は判断しています。ちなみに、我が国でガンが急増し始めたのは1950年を過ぎたあたりからのことです(なお、このことには、それまではガンの罹患と気付けなかったものが、医学の進歩によってガンと診断できるようになったことも多分に関係していると思われる)。

また、ガンが我が国の死亡原因のトップに躍り出たのは1981年のことですから、このような僅か四十年余りという極めて短期間の中での特定の疾患の罹患率の激変は、本来は、極めて異常だと捉えられなければならないはずのことです。いずれにせよ、食生活の影響を私たちが大いに受けていることについては疑いの余地はないので、この僅かな期間に起こった食生活内容の大きな変化が、日本人のかかる病気の傾向に急激且つ大幅な変化をもたらした犯人なのではないかという判断は、当然なされてしかるべきであり、そうであるとすると、事を起こしたその最大の犯人(原因因子)はほとんど自ずと特定されることとなります。

なぜならば、数多あると判断される発ガンの原因因子の中でも最大のものは「傷害」だと考えられるからです。と言うのも、両発作の根本原因物質が持つ生理活性作用としては、血管収縮・痙攣作用および組織傷害作用が確認できるのですが、この物質の持つ傷害作用は体内で産生される諸物質の中でもダントツに強力なものなのです。

なお、結果として発症する病気の種類が両発作となるかガンとなるかという差異を生じます。前者は、なんらかの原因によって高度の消化不良が引き起こされることから、一過性に極めて多量のその根本原因物質が産生されることによって生じ、後者は、肉食に対する消化能力の低い日本人が日々軽度に消化不良を頻度高く続けることが起こり、この同じ根本原因物質が微量且つ極めて長年月にわたり一定箇所に作用することの累積的な結果として、消化器系臓器の細胞のガン化を招くに至ると私は結論付けております。

※本記事は、2020年3月刊行の書籍『殺人うんこ』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。