第一章 雨の日の出会い

俺はどうしたというんだ。冷静さを失い、思わず沙優にキスをした。そして、沙優を抱いてしまった。こんなにもドキドキとして興奮してしまうとは、俺らしくない行動だった。

「すまん、先にシャワー使うぞ」

「はい、大丈夫です。南條さん、お仕事ですもんね」

俺は先にシャワーを浴びた。シャワーを浴びながら、昨夜のことが走馬灯のように蘇る。信じられないほど、熱くなった。こんな気持ちになれる女が、この世の中にいたなんて……

今の彼女とは、決まった日に愛し合う、いや正確には性的欲望を処理するといった方が正しい。抱きたいという気持ちになったことはない。

今までの俺の人生の中で、相手は誰でも良かったのである。たった一人を除いては……