2章 第一の関門――筆記試験への挑戦

9 子どもの食と栄養

「子どもの食と栄養」の勉強の工夫

筆記試験の八科目目は「子どもの食と栄養」で、私にとって合格点がとれなかった科目である。「子どもの食と栄養」も年齢別や性別の必要栄養素など覚えなくてはならない範囲が広く、勉強に時間がとてもかかる。

乳幼児期の食生活の注意点は試験に出やすく、乳幼児期の食生活や乳幼児期の献立そして六つの基礎食品や食事バランスガイドなどもきちんと理解しておくことが大事だ。また幼児の食生活の問題点(朝食の欠食、間食のとりすぎ、孤食など)とその理由や対策も押さえておこう。

五大栄養素の働きと消化酵素の関係は必ず出題されるので、準備を怠りなくする。特に多量ミネラルや微量ミネラル、脂溶性ビタミン、水溶性ビタミンの働きと不足時の問題点は理解が大事である。水分不足時の乳幼児の健康への影響も押さえておこう。

保育所における食育も必ず出題されるので、食育が目指す子ども像や食に配慮を要する子ども(体調不良の子ども、食物アレルギーの子ども、障害のある子どもなど)について十分理解しておくことが大事である。「子どもの食と栄養」で学ぶ内容は保育士として昼食、おやつ、水分補給など日々の保育に直結し、また子どもの命を守るという意味で大変重要である。

子どもの健康と食生活

乳幼児は新陳代謝が大変活発で、急激に成長するために、十分な栄養補給が必要である。特に乳児は人生で最も発育が活発で、第一発育急進期ともいい、乳児の体重増加が成長の順調さを示す目安となる。また幼児期も乳児期ほどではないが、急速な発育が続く。乳幼児期の栄養は、子どもの活動のエネルギー源として、急速な発育を支える要素として、病気の予防や克服の観点からも重要である。

「子どもの食と栄養」は、各栄養素の機能や働き、含まれる食品名、必要とされる摂取量、また過剰摂取の場合や過少摂取の場合の影響など理解しなくてはならない項目がとても多く、筆記試験の準備では苦労する科目である。

乳幼児期の食生活

保育所保育指針解説書では、「乳児は、食中毒に対しても抵抗力が弱く重篤になりやすいことから、食品やミルクの取り扱いは細心の注意を要する」とある。

また授乳は清潔に留意して行い、飲み終わった後の排気(げっぷ)や姿勢に留意する。離乳は健康状態などを見ながら、一人ひとりの咀嚼や嚥下の状態に合わせて進めていく。清潔さと十分な水分が重要である。

生後五~六カ月頃から、なめらかにすりつぶした食べ物を飲み込める。生後六カ月頃から、嚥下が上達する。生後七~八カ月頃から、上あごと舌の間で食べ物をつぶせるようになる。生後九~一一カ月頃から、上下の歯茎で食べ物をつぶせるようになる。

一方、「幼児は、食事は、楽しい雰囲気の中で、スプーンや箸などを使い、自分で食事をしようとする気持ちを大切にし、嫌いなものでも少しずつ食べられるように言葉をかけていく」とある。

成長期なので、必要なエネルギー量をしっかりとり、たんぱく質やビタミン、ミネラル、水分を十分とることが大事である。三歳くらいまでに乳歯が上下一〇本ずつとなり、咀嚼機能が大いに発達する。

楽しく食べる子どもに(食からはじまる健やかガイド、二〇〇四年)政府は、二〇〇四年に食を通じた子どもの健全育成の狙いとして、「楽しく食べる子どもに(食からはじまる健やかガイド)」を策定し、楽しく食べる子どもに成長していく子どもの姿を目標としている。子ども自身は、「食べる力」をつけていくことが求められる。

乳児期:安心と安らぎの中で食べる意欲の基礎づくり

・安心と安らぎの中で母乳(ミルク)を飲む心地良さを味わう
・いろいろな食べ物を見て、触って、味わって、自分で進んで食べようとする

幼児期:食べる食欲を大切に、食の体験を広げよう

・お腹がすくリズムがもてる
・食べたいもの、好きなものが増える
・家族や仲間と一緒に食べる楽しさを味わう
・栽培、収穫、調理を通して、食べ物に触れ始める
・食べ物や身体のことを話題にする

※本記事は、2018年8月刊行の書籍『じーじ、65歳で保育士になったよ』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。