2章 第一の関門――筆記試験への挑戦

8 子どもの保健

子どもの死亡原因

幼い命は尊いが、子どもの健康はもろいのが実態だ。厚生労働省の人口動態統計(二〇一四年)によると、乳児や幼児(一~四歳)の死因は下記の通りである。

保育所では、特に乳幼児突然死症候群(SIDS)と不慮の事故(窒息が多い)に十分な注意をしている。SIDSは一歳未満に発症する原因不明の突然死である。一歳以上でもまれに発症することもある。SIDSは発症前の健康状態や病歴からも予測できず、死後の検査からも原因は不明である。環境要因では、うつぶせ寝、顔の上に布団のかけすぎ、強い暖房、保護者の喫煙、非母乳育児などが言われている。

乳児
第一位、先天奇形、変形および染色体異常が七五一人で、圧倒的に多い。
第二位、周産期に特異的な呼吸障害等が二六一人。
第三位、SIDSが一四六人と続く。

幼児
第一位、先天奇形、変形および染色体異常が一四六人。
第二位、不慮の事故(窒息が多く、寝具等による圧迫、誤嚥、誤飲が原因)が一一三人。
第三位、悪性新生物が八八人である。

次の新聞記事は、認可外保育施設でうつぶせ寝の乳児が亡くなった記事である。

〈高知・うつぶせ寝〉 認可外保育施設で生後9カ月女児が死亡

毎日新聞 二〇一七年一月一四日

高知市の認可外保育施設「おひさま24時間託児所」で、うつぶせで寝ていた生後9カ月の女児が心肺停止状態になり、その後死亡していたことが14日、分かった。市は施設の安全管理状況などを調べている。

市保育幼稚園課によると、11日午前6時45分ごろ、母親が女児を施設に預け、女児は同7時半ごろにうつぶせで眠り始めた。約30分後、保育士の資格を持つ女性施設長が、女児が呼吸をしていないことに気付いた。女児は市内の病院に搬送されたが、翌12日午後6時半ごろに死亡した。高知県警高知署が司法解剖をしたが、死因は特定できなかった。

市によると、施設は昨年4月に開設され、事故当時、施設には女児と施設長の2人しかいなかった。施設長は市への聞き取りに「当日の予約状況を調べるため、インターネットを確認していて目を離していた」と話しているという。

私の勤務する保育所でも、昼寝の時にはいろいろなSIDS対策をとっている。うつぶせ寝は駄目。また柔らかすぎる布団も駄目。タオルなどの掛け物は顔、特に鼻や口にかからないようにする。

その状態を乳児は五分ごとに確認し、専用のチェックリストに記録し、保管している(現在はタブレットに入力)。また三歳児などは一〇分ごとに確認、別のチェックリストに記録、保管している。

お昼寝時間は平均二時間で毎日のことであり、その間に交代で一時間の休憩と、残りの一時間の間に日報や連絡帳の記入があるので忙しいが、現場の保育士として子どもの命を守るためにやるべきことはやらなくてはならない。

乳幼児に起こりうる病気にはSIDS、ビタミンK欠乏性出血症、腸管閉塞症、熱性けいれん、クレチン症などいろいろあるが、これらの病気も筆記試験で特徴や症状、対応策が出題されるので、気が抜けない。

子どもの疾病

子どもの疾病は大変多く、保育士はそれらの症状を理解し、基本的な対応策を知っておくことを求められる。もちろん、必要に応じて看護師に相談し、また医師の診察が必要な場合もある。私が担当する組でも子どもの頭痛、腹痛、発熱、発疹、咳、嘔吐などを経験した。筆記試験では各疾病の特徴や症状、対応策が出題されるので、よく理解しておくことが大事だ。

※本記事は、2018年8月刊行の書籍『じーじ、65歳で保育士になったよ』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。