2章 第一の関門――筆記試験への挑戦

8 子どもの保健

子どもの感染症にも要注意

感染症とは、ウイルスや細菌などの病原体が人間の体内に侵入し、症状が現れる状態である。感染経路には、飛沫感染、空気感染、接触感染、経口感染といろいろある。保育士はこれらの感染症の症状を理解し、基本的な対応策を知っておくことを求められる。

感染症の疑いがあった場合は、直ちに看護師に相談し、また医師の診察が必要な場合もある。残念ながら、私の担当の組でも手足口病やとびひ、ヘルパンギーナに感染した子どもが出たことがある。幸い一週間くらいで元気になった。

ちなみに、筆記試験では各感染症の特徴や症状、対応策などが出題される。代表的な感染症には、麻疹(はしか)、風疹(三日ばしか)、水痘(水ぼうそう)、手足口病、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)、ヘンパルギーナ、伝染性紅斑(リンゴ病)、日本脳炎、インフルエンザ、急性灰白髄炎(ポリオなど)、感染性胃腸炎(ノロウイルス、ロタウイルス)、ブドウ球菌感染症、溶連菌感染症、腸管出血性大腸菌(O157など)がある。

感染症対策のための予防接種

国は感染症の流行予防のため、勧奨予防接種を定め、国民に積極的に受けるように求めている。そのうち、小学校就学以前の子どもに予防接種を勧奨されているものは七つあり、筆記試験で出題されることが多い。

具体的には四種混合ワクチン(ジフテリア、百日咳、破傷風、不活化ポリオの予防)、麻疹・風疹混合ワクチン(麻疹・風疹の予防)、日本脳炎ワクチン(日本脳炎の予防)、Hibワクチン(髄膜炎の予防)、小児用肺炎球菌ワクチン(細菌性髄膜炎・細菌性肺炎などの予防)、BCG(結核の予防)、水痘ワクチン(水痘の予防)である。 

感染症対策のための消毒・手洗い励行

厚生労働省発行の「保育所における感染症対策ガイドライン」では、消毒について三つの消毒薬について述べられている。具体的には、次亜塩素酸ナトリウム、逆性せっけん、消毒用アルコールがあり、それぞれが有効な病原体と効かない病原体が明確にされている。手指の汚れや菌の除去については、流水と液体せっけんによる十分な手洗いが必要とされる。

子どもの発達障害と精神障害、知的障害

子どもが発達していく段階で表面化する障害を発達障害というが、自閉症、アスペルガー症候群、学習障害、注意欠陥多動性障害などが代表的な障害である。子どもの精神障害で代表的な疾患は、統合失調症とうつ病であり、統合失調症が最も多い。子どもの知的障害とは知能が未発達(IQ七〇未満)で、したがって精神発達そのものが遅れている状態をいう。これらの障害も筆記試験で特徴や症状、対応策が出題されるのできちんと理解しておく必要がある。

子どもの問題行動への対応

子どもの指しゃぶりやかんしゃくなどの問題行動には何らかの意味がある場合が多く、子どもは何かを訴えていることがある。具体的には、集団になじめず、孤立したり、社会秩序を乱したり、年齢より幼い行動・言動をしたり、悪影響のある習癖をしたり、無関心・無感動・無表情などである。

また子どもの問題行動には、先天的な要因と環境要因とがあるが、人的形成の時期の環境要因が大きいと言われている。私の担当する組でも、小食・偏食、夜尿、不眠、指しゃぶり、粗暴な子どもがいたが、少しずつ食べさせたり、寝る前にトイレの徹底や、運動を多くしたり、子どもに働きかけて克服しつつある。

※本記事は、2018年8月刊行の書籍『じーじ、65歳で保育士になったよ』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。