2章 第一の関門――筆記試験への挑戦

6 社会福祉

「社会福祉」の勉強の工夫

筆記試験の五科目目は「社会福祉」で、児童家庭福祉にとどまらず、すべての国民に対する福祉を対象としている。したがって、生活保護や老人福祉、母子及び父子並びに寡婦福祉、身体障害者福祉、知的障害者福祉まで法範囲な内容が含まれる。自分は保育士の試験を受けるのに、なぜここまで求められるのか、と思い悩んではいけない。

また西洋や日本における社会福祉の歴史も理解が求められる。さらには日本の社会福祉を支える国や地方自治体の仕組みや実施機関も知る必要がある。保育士を目指す上で、社会福祉について幅広く理解していることが求められる。「社会福祉」は「社会的養護」と内容が重なる部分があるので、一緒に勉強すると効率が良いだろう。

社会福祉とは

社会福祉とはなにか。ブリタニカ国際大百科事典では、「社会福祉とは個人や家族の所得を一定水準まで上げ、医療、住宅、教育、レクリエーションなどの福祉を増大させようとする活動、制度」とある。日本国憲法では、社会福祉について国民の生存権と国民の生活保障について国の役割について次のように述べている。

日本国憲法 第二五条
「すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」

したがって「社会福祉」は国民すべての人への福祉を対象としているので、内容は児童家庭福祉にとどまらず生活保護や老人福祉、母子及び父子並びに寡婦福祉、身体障害者福祉、知的障害者福祉と広範囲にわたる。また西洋や日本における社会福祉の歴史も理解が求められる。

西洋における社会福祉の歴史

一六世紀に英国では、農地から羊の牧場にしていくという囲い込み運動により大量の貧困者が発生し、貧困者対策が必要になったことから始まる。

その後、貧困者に限定の「エリザベス救貧法」や年少労働者を保護する「工場法」が制定される。さらに「新救貧法」が成立するも、公的な救済範囲の制限があった。一八六九年、英国で慈善組織協会が設立され、慈善組織化(COS)運動が始まる。

一八九九年、英国で貧困調査が行われ、「貧困線」という判定基準が発表され、人口の三割が貧困状態であることが明示された。実際に不景気により大量の失業者が発生し、社会問題になった。

「国民保健法」が制定され、社会保険制度のスタートとなり、一九四五年、英国で「家族手当法」続いて「国民保健サービス法」「国民扶助法」が成立し、これで英国において、「ゆりかごから墓場まで」というスローガンの社会保障制度が確立された。一六〇一年の貧困者対策開始から三四四年間かかったことになる。

※本記事は、2018年8月刊行の書籍『じーじ、65歳で保育士になったよ』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。