ヨーロッパについては、「権威主義的な政権は、ヨーロッパにおいても台頭する可能性がある。特にロシアの政権は思想面でロシア・ナショナリズムをよりどころにし、経済面ではエネルギー分野の支配的地位に基盤をおき、その立場を積極果敢に利用するだろう。

ただ、西欧においてさえ、北アフリカやヨーロッパの他地域から、不法移民の爆発的流入を受けた場合は、政治的には同じようなことが起こりかねない。この流入は国境封鎖に近い手段を用いないかぎり、その阻止は不可能だからだ。

各国に存在するムスリム(イスラム教徒)のコミュニティーに対しては、とりわけ敵意が高まっていく。ヨーロッパの主流文化に彼らを統合しようとするこれまでの努力は失敗に終わり、極端な分離状態が常態となる。経済面において、EUは手いっぱいの状態である。ほとんどすべての主要港が水浸しとなり、オランダは国家全体を海から救う必要に迫られている。」

以上が、第二のシナリオの個別地域の予想です。

第三のシナリオはさらに激しいものです。これは、CIAの元長官ジェームズ・ウールジーを中心にまとめられたもので「破滅的気候変動」と題されています。地球の平均気温はいまより5.6度あがり(800ppm=6度上昇に相当)、海面は2メートル上昇(その後さらに上昇)と推測しており、たとえば、中ロ核戦争のような、血も凍るようなあらゆる想定が収められています。

沿岸地域を洪水で失った中国はそこに住む数千万ないし数億人の人口を再定住させる必要に迫られて、温暖化によって農業適地に生まれ変わったシベリア確保に動くという見立てです。しかし、本書では確実に人類の滅亡につながるような物語まで書く気はありませんので、この第三のシナリオも省略します。

したがって、「第二シナリオ」の要点を記しましたが、これでも人類は悪夢の世界に投げ込まれます。人類はどんなことがあっても、いや、どんなことをしてでも、この劇症型地球温暖化を阻止しなければなりません。

※本記事は、2021年5月刊行の書籍『「グローバル・サンシャイン計画」で防ぐ劇症型地球温暖化』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。