学位や資格は全国どこでも通用する

国内では、大学や職業教育訓練機関、中等教育などで取得できる学位や資格を全国的な枠組みで統合するシステム(Australian Qualification Framework:AQF)が確立している。

それゆえ、現在の教育機関から別の教育機関に移ったり、過去に取得した学位や資格をアップグレードさせたりすることが容易になっている。

日本では短大から大学、大学から別の大学に編入する際など様々な制限があるが、学位や資格が一元的に管理されているオーストラリアではこうしたことがスムーズに行われる。

学位と資格は10段階に分けられ、各レベルの名称、取得に要する期間、必要とされる学習成果の基準が示されている。基準は、①知識(knowledge)、②技能(skills)、③知識と技能の応用(application of knowledge and skills)に分類されている。

学校の種類

初等・中等学校は公立(州立)と私立があり、公立が全体の7割を占める。

公立学校はすべて州が設置しており、日本のような町立や村立といったものはない。

私立はカトリック系とそれ以外の独立系に大別される。後者には英国国教会などカトリック以外のキリスト教、イスラム教、ヒンズー教など宗教系の学校、モンテソリーやシュタイナーなど独自の教育理念に基づく学校、民族系の学校などがある。男女共学が多いが、私立では男女別学もある。

学校はすべて全日制で、日本のような定時制はない。

農業を専門とする高校がわずかにあるが、工業や商業などの専門教育に特化した学校もほとんどない。どの学校も総合的な教育を実施し、職業教育は総合教育の一環として行われている。

障がいのある子どものための特別支援学校(special school)もあるが、その数は400校ほどで、全体の5パーセントである。オーストラリアではインクルーシブ教育が推進されているので、障がいのある生徒も通常学校に在籍することが多い。

初等学校と中等学校は分離されているが、一貫校もある。私立は圧倒的に一貫校が多い。

公立学校は、学力の高い生徒を選抜して受け入れる学校(セレクティブスクール)を除いて入学試験は行わない。だからみんな高校段階まで無試験で進学できる。入試というプレッシャーがないので生徒はのびのびしているように見える。一方、私立学校は入学選抜を行うところが多い。