10月11日(日)


クズとカラスウリ
 

我が家の裏は崖状に立ち上がっている。一気に立ち上がるのではなく、3段に土留めされている。その上に、我が家の土地に沿って細い市道がある。市道は斜めに通っている。つまり裏の傾斜地は長方形でない。ということは傾斜の角度が一定でない。北側は随分緩い。そこに裏からも出入りできるようにS字型の石段を設けてある。

市道沿いは山茶花で生け垣にしてある。

その生け垣が夏の間にクズで覆われる。

取っても取っても生えてくる。抜こうとしても必ず途中で切れるので、そこから再生して来る。掘り返さぬ限り球根は残る。

実に厄介なものである。

このクズが “吉野葛” のクズであり、秋の七草の一つとは、とても信じられない。

同じつる性でもカラスウリは好きで、3年ほど前旅先の山道にぶら下がっていた実を採取し、帰って種を山茶花の下に蒔いた。それが去年から成長した。まだ結実しないのであるが、夜間に、羽毛のような幻想的な花を付ける。

今年も花は付けた。しかし結実はしなかった。

ところが、不思議なことに気付いた。クズが減ったのである。

クズは例年、真夏の太陽を吸収して山茶花を覆い尽くすように伸びる。猛暑故、抜き取る作業の気力が出ない。秋に植木屋さんが入るまで、みっともない姿を晒すのである。市道とはいえ裏道で、人通りは多くなく、犬の散歩用路の感じなので、横着している。

今年はそのクズが、激減と言ってよい減りようである。

私は除草剤のようなものは一切使用しない。虫であれ蜘蛛であれミミズであれ、殺したくない。もっとも、ワンちゃん、ニャンちゃんには警告している。

ワンちゃん、ニャンちゃんへ

衛生保持のため定期的に薬剤を散布しています

昏倒の恐れがありますので

鼻を近づけないで下さい

ウソをついているのである。

フンをするな、と書いても効果は薄い、と私は思う。

フンをするな、というのは、相手が加害者である。こっちは被害者である。昏倒するぞ、というのは、相手が被害者である。こっちは加害者である。

今年、クズが減ったことは事実である。来年もそうなのか、そしてそれがカラスウリの成長と関係があるのか、興味をもって観察したいと思う。

「丸山ワクチン・オフィシャルサイト」によると、

丸山ワクチン(SSM=Specific Substance MARUYAMA)は1944年、皮膚結核の治療薬として誕生しました。(中略)皮膚結核やハンセン病の治療に打ち込む中で、あるとき、この二つの病気にはガン患者が少ないという共通点が見つかりました。このようにして、ガンに対するワクチンの作用を調べる研究が始まりました。

とある。

ウィキペディアによると、

丸山ワクチンは、1944年に皮膚結核の治療薬として誕生した医薬品。タンパク質を除去したヒト型結核菌青山B株から抽出したリポアラビノマンナン及びその他のリポ多糖(LPS)を主成分とする。

とある。結核菌由来なのである。

昔、天然痘の根絶と時期を同じくしてエイズが発生したと、聞いた記憶がある。

今年のノーベル生理学・医学賞受賞者 大村智博士のイベルメクチンは川奈の土の中から発見されたバクテリア由来だという。

クズというのは林業の方々も困っていると思うが、カラスウリから有効な抑制液が作り出せないだろうか。

※本記事は、2019年3月刊行の書籍『良子という女』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。