私は職場の仲間に相談し、しまいには会社のトップにまで話を上げた。ノイローゼになりそうだということを伝えたがわかってもらえなかった。

しまいに、私は職場に混乱を招く淫らな女という言われ方をする。

「橋岡さんから誘惑したんでしょ? 男なら勘違いするに決まっている」

「橋岡さんが辞めれば、この職場でこのような問題の原因がなくなる」

私は邪魔者とされた。

「橋岡が辞めれば?」

私の行為を挑発や誘惑と受け取れるということは、本人はさほど孤独ではなかったということだ。勘違いして、この女をモノにしようという精神的な余裕があったということだ。私が勝手に相手を信じすぎてこういう結果になったということだ。

「橋岡が人を信じ過ぎてしまうのは、お前が寂しい人間だという証拠だよ」

しかし、私の気持ちを嘲笑い自分達の立場を保とうとするそいつ等は、本当に孤独になったとき誰も助けてくれないだろう。それはともかく、私はこの職場で秩序を乱す邪魔者となってしまった。