発達障がいは治療できる 診断、対処法、正しい治療を受けるために

“「発達障がい」は治療ができない難病ではありません。具体的な向き合い方、どうすれば症状は良くなるのかといった筋道はあります。早期発見・早期介入が求められるのは、治療が早ければ早いほど症状に改善がみられるからです。”医療現場の実情、最新の診断・治療法を専門の小児科医が解説していきます。

子どもとのコミュニケーションを取り戻すための具体案

現代では娯楽が簡単に手に入りすぎるというのも、問題のように思われます。昔は、お手伝いをしたり、買い物をしたりして、何かのご褒美としていろいろな娯楽が与えられました。そこで、親御さんに駄々をこねたり、交渉したりすることで親子のコミュニケーションが生まれたものです。

しかし、今、お子さんたちは自分専用のゲーム機を持ち、何かしたご褒美でなくても勝手に自由に娯楽が楽しめる環境に置かれています。社会が豊かになりすぎた分、親子の距離ができてしまったのです。

そのようなお子さんたちとのコミュニケーションを取り戻すためにも、お手玉、あやとり、折り紙など昔ながらの手を使った日本の伝統的な遊びの大切さを、もう一度親御さんが教えてあげることが大切だと考えています。昔ながらの遊びは、自然と指先の器用さが身についたり、脳が鍛えられたり、自然と感覚統合的な訓練になっています。発達障がいを抱えたお子さんには格好のトレーニングにもなるのです。