コンサルティング会社の敏腕社長が教える、増収増益を達成する組織のつくり方。

社会人に求められる能力とは?~ネガティブな出来事への耐性

ビジネスの現場では次々と難題が降りかかってきます。

私たちは強いストレスがかかるような出来事に遭遇すると、そこから目をそらし、正面から対処しようとしません。解決をあと回しにしがちです。扁桃体が本能的にそう反応するのです。人間には自己愛というものがありますから、それは自然な反応です。

しかし、そのネガティブな出来事が避けられないものだとしたら、防御のままではいけないのです。避けることができない嫌な出来事が起こったとき、その事実から目をそらし逃げたいと思う感情が生まれるのは当然のことです。

しかし同時にきっと避けることはできないだろうと冷静に判断しているのです。そこで私たちは感情に左右されず、理性を働かせなければなりません。つまり、扁桃体を離れ、速やかに大脳新皮質を発動させなければならないのです。

このように「悪い事態」が避けられないものだとすれば、大脳新皮質を働かせ感情を制御すべきです。ネガティブな出来事は絶え間なくやってきます。ネガティブな出来事に遭遇すると、まず感情(扁桃体)が反応しますが、すぐに理性(大脳新皮質)を働かせましょう。

ビジネスは合理性や論理性に基づき進みますので、問題が起これば原因を分析し、対策を施すというプロセスを経なければ解決はしません。これを分析することもなく感情的に押し切ろうとしても決してうまくいかないのです。

既述しましたように今の日本はサラリーマン社会です。昔のように自分でものを考え、自分で判断を下せる創業者は少なくなっています。在任期間中に成果を上げること、あるいは大過なく業務を全うすることに気を取られがちで、ネガティブな出来事には弱いといえます。

創業者であれば自らの責任においてそれらを受け入れ、大脳新皮質を活発に働かせ変革を行うことができます。しかし、サラリーマンは大きな責任を負うことに慣れていません。

目先の成果を気にするあまり、理性よりも感情が優位に立ちやすいという傾向があります。ネガティブな出来事に対する耐性を持ち合わせていないのです。