あまりに世代間ギャップが生じ、基本から人間教育をやり直していただけませんかという要望が後を絶ちません。私は海外、特にASEANの留学生との接点が多いため、日本人と同年齢の留学生を比べることがあります。

ASEANにはまだ貧しい国が多く、そうした国から日本にやってきている留学生は、日本の学生よりレベルが低いだろうと普通の日本人は想像するのですが、実は、正反対なのです。ASEANの留学生は、日本人の学生があまりに精神的に幼いことに驚きます。精神年齢において、すでに親子ほどの開きがあるといっても過言ではありません。

日本人の学生に共通しているのは、日本や世界の置かれた状況を全くといってよいほど知らないことです。家庭や学校、大学はいったいどんな教育をしているのか不思議でなりません。

ある大学で、私たちには常識的な日本の厳しい現状、世界の状況について話したところ、指導教授から「ありがとう」といわれたことにはさらに驚きました。「いまの子たちは小さいころから甘やかされて育っているので、あのような話はできない」といわれました。

新型コロナにより世界恐慌以来の経済的痛手を被り、日本の若い世代も考えを変えざるを得ない時代がやってきたと思います。新型コロナというパンデミックだけが災難ではありません。

毎年のように大洪水、メガ台風、記録的猛暑が私たちに襲いかかり、関東巨大地震、南海東南海巨大地震が切迫した状況になりつつあるといわれています。また、私たちの国は途方もない巨額債務を抱えています。私たちの国、日本には安らぐことができる状況はもうないのです。

戦後から昨年までの平和で静かな時代はもうやってこないかもしれません。むしろ、長い歴史の中で、飢饉も起こらず、戦争も起こらず、1億総中流社会と言われたこれまでの75年間は、日本の長い歴史の中で、奇跡の75年間だったのかもしれません。