第1章 医療

白血球

血液の主要成分である白血球は白血病などのほか、感染症の時に増加することはよく知られています。化石医師が医師になりたての頃は右下腹部の痛みに加え、白血球の増加は虫垂炎の診断の重要な所見でした。そんな白血球ですから増加があれば、まず第一に身体のどこかに炎症が存在することが疑われます。

化石医師は臨床医療の他に長らくドック、健診にも携わって来ました。そのような健診の中で時折白血球が増加している方に出会います。自覚症状もなく他には何の異常もない。ただ白血球だけが1万と少し増加している。中には毎年同じ結果の方も存在します。

私の携わっている健診はリピーターが多いため白血球が増加していた方の経過も追跡されています。しかし白血球の増加を指摘された方の中からその後重篤な疾患が診断されたという方はあまりいません。

いろいろ調べますとこれらの方に共通していることが一つありました。喫煙です。白血球だけが増加している。そんな結果に出会った時「喫煙しているでしょう」と言う。まずはずれがありません。

喫煙者の白血球増加については喫煙による交感神経刺激説、副腎ホルモンの分泌増加説、タバコの煙中の異物を処理するためなどの諸説があります。化石医師は慢性炎症が存在するからではないかと考えています。科学的根拠がある訳ではありません。

でも長年喫煙をされた方は肺気腫になります。そのような変化が一朝一夕に生じる訳はなく自覚されないような長年の炎症の積み重ねの結果生じます。