もう1つの部位は大脳半球脳深部白質です。高齢者の場合には、両方に病変がみられることが多いようです。

高齢者に多く認められる白質病変(図1)は、びまん性白質変化【Leukoaraiosis:Leuko(白質)araiosis(粗になる)、リュー コアレオーシス】で、水分貯留によるものではなく、主として加齢に伴う変化と考えられています。

MRI上は、側脳室周囲、皮質下白質において、T2強調画像 やFLAIR画像で点状、斑状、びまん性の高信号として認められます。

高齢者のMRIを見なれないと脳梗塞との区別が難しいかもしれません。多くの場合、少し古い脳梗塞であれば、T1強調画像で梗塞に該当する部位が壊死のためレンコンの穴のように抜けて見えます。

以前は高度の側脳室白質病変はアルツハイマー病と関連する病変と考えられていましたが、現在では加齢や高血圧などと関連する変化と考えられています。高齢者では、正常な場合でも加齢に伴ってこの病変が増加・ 増大しますので、年齢相応の大きさであれば病的な意義付けをしない方がよいのです。