第二章 健康志向と健康商品のウソ

常識や人気商品を疑え​

健康常識には嘘がたくさん。最近流行の寝具では腰枕・膝枕や抱き枕、低反発のマットや枕などが人気で、「足を高くして寝る」「抱き枕がいい」などと、いろんなことを言っている。

全部アウトです。いかに悪い姿勢で気持ちよく寝るかという道具にすぎない。

「寝心地がいい」「気持ちがいい」ことが、健康にいいと信じている人ばかり。とても怖いこと。結論からいえば、寝ている姿勢が昼間の姿勢なのだ。こんなものに頼ってしまったら、もう痛みや歪(ゆが)みは治らない。

そして、多くの人に影響を与えやすいのが「靴」、履物だ。最近の大人も子どもも、足の幅が異様に広くなったと感じませんか? その原因の一つが靴。ろくでもない履物が売られている。

悪い靴の条件は「軽くて柔らかい。幅が広くてスポッと履ける」もの。2E(靴幅サイズ)の靴を履き始めると、次は3E、知らぬ間に4E・5Eになっていますよ。

幅が広くて先が丸いと、開張足(かいちょうそく)・扁平足(へんぺいそく)・ハンマートゥの原因になる。先が少し尖(とが)っていると、外反母趾(がいはんしぼ)や内反小趾(しょうし)になってしまう。

高級ソファーには注意

楽な姿勢ほど健康に悪い。高級ソファーなんかより、ほぼ直角の背もたれがあって足を下に引き込める、食堂にあるような椅子に座ることを勧めます。良い姿勢を保持しやすい。

高級ソファーは、楽な姿勢を取るようにできているので、肘(ひじ)の位置が低過ぎる。足を投げ出すような低いソファーだと、体がどんどん曲がっていく。

最終的には、歪みや曲がりなど体に良くない兆候が表れる。仕事で椅子を選ぶときは、肘掛けがちょっと高く、調整機能が付いているものを選ぶといい。

※本記事は、2019年10月刊行の書籍『治療の痛みは喜びの涙 ある整形外科医の言いたい放題』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。