ネズミと一口に言っても人と関わりの多い家ネズミと呼ばれるネズミは3種類いる。農村でネズミと言えばハツカネズミのことを指し、小さいのでかわいい生き物として見られることが多く、勿論この大きな籠を使うこともない。

ミッキーマウスもハツカネズミを元に作られたキャラクターで、かわいい生き物の象徴として考えているため、外国ではあえて殺す目的で捕獲しようとしない。ついでに付け加えておくと、ミッキーマウスが白くないのだから野生のハツカネズミも白くない。白いと思われているのは実験用に飼育されている生体が白いためである。

そして、残る2種類はかわいくない方。ふいに足元を横切られた時に思わず声をあげてしまいたくなるほど大きいドブネズミとクマネズミだ。この2種類のネズミが問題なのである。こいつらを身近な場所で見かけ腹立たしい思いをした場合に、この大きな籠を使う。

しかし、この古くからある仕掛けを用いてネズミを捕獲する場合、ドブネズミは捕獲できるがクマネズミはほとんど捕獲できないことが分かっている。神戸市の港湾局が定期的に行っている捕獲調査では捕獲率に大きな差が有り、手元にある平成18年のデータではドブネズミ52頭1.8%、クマネズミ1頭0.1%である。

捕獲場所が主に港の倉庫なのでクマネズミにとって暮らしにくい環境かもしれないが、捕獲数が0ではないので、いるのだが捕獲しにくいということだ。クマネズミは英名roof ratで、名の通り屋根裏に住む大きいネズミのことである。