【前回の記事を読む】ヨーロッパでスーパーラットが出現…ハツカネズミ研究のさらなる重要性とは

1章 ハツカネズミの前期捕獲とその観察結果

ハツカネズミの捕獲作業は同じ場所で3月から7月までの4カ月間と5カ月後の12月から1月までの約2カ月間、計2回行った。

当初の目的は連続捕獲具がうまく機能するか確認するためであり、1つのエリアに住む集団を残らず捕獲してその構成を調べることだった。しかし謎が多く出現したことから、謎を解くために2回目の捕獲を追加して行ったわけである。不思議の壺に見事にはまったと言って良く、捕獲終了後の数年間その謎解きに没頭した。

まず、謎が多く出現し、壺にはまるきっかけとなった前期の捕獲について、その結果と謎解きの詳細について述べる。

1 捕獲の詳細

2015年に、大阪府南部にある観光牧場で野生のハツカネズミを対象として捕獲試験をする機会を得た。

1 仕掛けの構造

ハツカネズミはクマネズミと違って足元が不安定になることを気にしない。気にしないどころか、私が作ったシーソーの仕掛けを楽しんでいるのではないかと思うほどだ。そのため、よりシンプルな構造で連続捕獲することができると考えた。その構造について述べる。

入り口にはシーソーがあり、ネズミがそれを乗り越えて奥に入ると、シーソー板の奥の下端が付属品に引っかかって動かなくなる。入り口が塞がれて出られなくなるので奥の通路を進むしかない。狭い通路を通り一方通行のドアを押し上げて奥の部屋に出る時に足元の板を踏む。すると、付属品の引っかかりがはずれて入り口のロックが解除される。

これを繰り返すことによって、連続的に捕獲可能になる。シーソーが動かないよう固定すれば餌付けモードにすることもできる。この仕掛けは3つ目の国内特許だけでなく、アメリカでの特許にもなった。