謎4 雄が捕獲されない期間中に雌だけの個体群が捕獲された

6月1日から6月12日まで12日間捕獲できなかったが、その後雌ばかり8頭が捕獲された後、再び16日間捕獲できなかった。7月3日に2頭捕獲したので捕獲場所近辺のすべての個体を捕獲できたとは思っていない。しかし、随分少なくなったことは間違いないだろう。

その、少なくなった状況で雌ばかりが8頭まとまって捕獲されたのだ。何故だろう。前後10日ほどの空白期間がある。そこで私は、5月13日に捕獲した5頭の個体が一塊になってくっついている光景を思い出した(ネズミ5頭が「一塊」に…謎が謎を呼ぶネズミ捕獲の奮闘)。

雌だけの集団があって、まとまって行動しているという可能性がある。未舗装の道路が往来する上で障害になるなら、鶏舎周辺は主な施設とは隔離された空間になる。鶏舎周辺だけで起こっていることだと考えて、その可能性について考えてみた。

別行動をしている雌の集団が捕獲されずに残り、後でまとまって捕獲されたと考えるのが妥当で、そこに授乳中の母親が離乳前の雌3頭を連れて後からのこのこやってきたのかもしれない。17.6gの個体はお腹に胎児を持っていた。雌は雄より慎重なのだろうか、何事にも慎重な雌2頭が雌の子6頭と一緒に行動していたように思える。

図1に示されているように6月1日から7月3日までは、約1カ月雄がまったく捕獲できなかった。雄が全く捕獲できない期間が1カ月ほどあった。その真ん中あたりの時期に、雌だけの個体群が集中して捕まっていたことになる。実に不思議なことだ。

[図表]捕獲当初は入口高20mm の捕獲具を用い、途中から30mm の物を用いた。●は雄個体を表し、それ以外は雌である。◎は妊娠経験のある雌を表し、◆は妊娠中の個体である

この謎に対しての謎解きは最後まで残った。いくつもの謎が複雑に絡み合っていたので、解き明かすまでに2年ほどかかっている。最も大きい謎として最後まで扱っているので、この謎も記憶しておいて頂きたい。