「一年の山本果音さんだよね?」「は、はい」(え? 誰?)果音が顔を向けると、そこには背が高く、赤い縁の眼鏡をかけた女子が立っていた。彼女の印象を一言で表せば『外見はあまり気にしないタイプ』の人だ。夕日に眼鏡のレンズが反射して目はよく見えないが、悪い人ではなさそうだ。「私、二年の久保田麻衣。よろしく」麻衣は早口で言う。「あなたを、スカウトしたいと思って」「はぁ。スカウトですか?」麻衣はまた早口で言…
[連載]あなたの居場所が見つかるまで
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小説『あなたの居場所が見つかるまで』【第14回】永本 一
「あなたにイラストを描いてほしい」新聞部からスカウト!?嬉しそうな生徒に、先生の胸は熱くなった
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小説『あなたの居場所が見つかるまで』【第13回】永本 一
「内部進学させないと上が…」生徒の夢を否定する担任。どうする、バーバラ?
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小説『あなたの居場所が見つかるまで』【第12回】永本 一
イラストの下に書かれた「いつもありがとう」という文字をみつけ、涙で文字がにじんだ
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小説『あなたの居場所が見つかるまで』【第11回】永本 一
「だ、誰?このおじさん…」アプリで知り合った友達に会いに行くと…
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小説『あなたの居場所が見つかるまで』【第10回】永本 一
「どうして私が、死なないといけないの?」保健室に響いた本音の叫び声
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小説『あなたの居場所が見つかるまで』【第9回】永本 一
果音の考える『死』の軽さとこの一字に込められた深遠なる重さ
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小説『あなたの居場所が見つかるまで』【第8回】永本 一
「幸せは自分の心が決めるのよ」そう言われた言葉が心に残った日
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小説『あなたの居場所が見つかるまで』【第7回】永本 一
生徒にとって教員は親より絶対的な存在であることも…「先生はいつも元気でなければ」
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小説『あなたの居場所が見つかるまで』【第6回】永本 一
「大丈夫。思春期も更年期も、乗り越えられるはずだから」訳の分からないまま強いられる“山登り”
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小説『あなたの居場所が見つかるまで』【第5回】永本 一
「男女の恋も複雑だけど、友達関係も複雑」気になるあの子は最近大人の男友達ができた!?
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小説『あなたの居場所が見つかるまで』【第4回】永本 一
「少年たちよ、今日からよろしく!」思い出す、新任の日の懐かしい記憶
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小説『あなたの居場所が見つかるまで』【第3回】永本 一
「教師は嫌われてなんぼ」時間がかかっても、生徒への本気が伝われば本望
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小説『あなたの居場所が見つかるまで』【第2回】永本 一
養護教諭としての31年目の春。誇りとともに持ち続けてきた“ちょっとした不安”
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小説『あなたの居場所が見つかるまで』【新連載】永本 一
【小説】バーバラと果音のバトルは穏やかな春の日に始まった