11月11日(水)

MRJ飛ぶ

今日は病院で10月分の支払いがあって、3時半に良子を訪ねた。

更に元気になっていた。

明後日退院とのことである。

11月13日、13日の金曜日である。勿論そんなことは今気付いたのである。

支払いは簡単に終わった。

お昼から五分粥になった、と良子は言った。明日は全粥になる、と言った。そして退院である。

「海を見に行こうか」と良子は私を誘った。

「行こう、行こう」

正面玄関を出て外周をぐるっと裏へ回ると、海が見える。

と言っても、東京湾が全貌できるのではなく、港湾設備と首都高速の高架線に囲まれた狭い水面である。浮かぶ水鳥の一群が見えた。

良子は薄手のガウンを着ていた。

寒くはなかった。

曇り日の夕刻で、静かである。

「いつもここへ来ている」と良子は言って、微笑んだ。

良子は常に笑顔を失わなかった。こんなに笑顔の可愛い女であったのだと、改めて思った。沈んだ顔を一度も見せなかった。痛む、とは言ったが、苦しい顔は見せなかった。1時間余りいた。夕食の材料を買いにスーパーへ寄って、帰った。

MRJが飛んだ。 ([NHKニュース]11月11日18時36 分)

MRJ「初飛行は成功」海外への売り込みに力

国産の小型ジェット旅客機、MRJを開発している三菱航空機は、11 日の初飛行のあと、名古屋市内で記者会見を開き、森本浩通社長は「初飛行は成功だ」と述べた上で、世界各国の航空会社への売り込みにより力を入れていく考えを示しました。

この中で森本社長は「機体が青空へ飛び立つ姿を見送ることができて、かけがえのない喜びだ。いつ飛ぶのかと心配をおかけしたが、期待に応えることができてほっとしている。初飛行は成功だ。しかも大成功に近い」と述べました。

その上で、森本社長は「現実に空を飛んだということは大きなインパクトがあり、説得力のあるセールスを行うことができる。今回の初飛行を励みに、更に受注活動に力を入れていきたい」と述べ、世界各国の航空会社への売り込みにより力を入れていく考えを示しました。

また、11日の初飛行でMRJを操縦した安村佳之機長は「滑走路を走行中、離陸速度に達すると、飛行機が飛びたいと言っているようにふわっと浮かんだ」と振り返りました。

そして、飛行中の様子について、「操縦に集中していたため、余り外の景色は見ていないが、富士山が見えたときは感動を覚えた。空港に戻ったときはふるさとに帰るような感覚で、みんなの前で素晴らしい着陸を見せたいという思いだった」と話しました。

私は国産機YS-11に何度か乗ったことがある。

プロペラ機というのは今のジェット機、なかんずくジャンボ・ジェット機とはまるで乗り心地の違うもので、空気を突っ切るというのでなく、ふわふわ浮いている感じであった。

よく揺れたけれども、味はよかった。LP(アナログ)とCD(デジタル)の差と言える。

今日は幸せな一日であった。

※本記事は、2019年3月刊行の書籍『良子という女』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。