ツイン・エネルギーとしての働き

受け取って与える。この繰り返しで生命は成り立っています。

この2つは、決して1つで存在することができない補完関係にあり、それはまるで、一緒に目的を遂げることを約束した、強力なパートナーシップと言えます。

このツイン・エネルギーは、互いに協力し、生きる上で必要な根源的なつながりを私たちにもたらしてくれます。私たちは決して1人で生きているのではない、ということを、このツイン・エネルギーは一番よく知っています。

私たちは日々呼吸を通じて、植物から酸素を受け取り、同時に、植物に二酸化炭素を与えています。赤ちゃんは、親(あるいは育ての親)から愛を受け取り、ただそこに「存在する」ことで、親にこれ以上ない歓びを与えているはずです。

この循環は、大人になってからもあらゆる人と絶え間なく繰り返されています。私たちが、この循環を受け入れ、受け取る時は十分に受け取り、自分が与える存在であることに気づくことで、私たちの生活は、生きる実感にあふれるはずです。

このバランスが崩れることは私たちに様々な影響を与えます。植物は、水をやりすぎたり、足りなかったりすると枯れてしまうのは言うまでもありません。

私たち人間も、受け取ることを無意識に拒み、与えよう、与えようと無理をしすぎるとガソリン切れになって、心のバランスを崩します。

逆に、周囲の好意を受け取っていても、自信不足から与えることに躊躇してばかりいると、本来もっている自分の価値を感じることが難しくなります。

俊介の物語

俊介は、ある外資系企業で部長を務めています。

頼りがいのある上司として部下から慕われていた俊介でしたが、ある悩みがありました。それは、忙しすぎるスケジュールをどうにかしたい、というものでした。

その悩みは深刻で、彼のスケジュールは、打ち合わせや商談などでびっしり埋まり、休む余裕は一時もなく、気が付くと心も身体もボロボロになっていたのです。

何度かもっと仕事を部下に任せ、ゆとりをつくる努力をするものの、気が付くと、また多くを引き受けてしまう自分に戻ってしまうのでした。

限界を感じた俊介は、知人からの紹介で、コーチングを受けることにしました。本当にコーチングがこの問題を解決できるのか半信半疑ではあったものの、コーチと話すことで少しだけ気持ちが楽になったことから、俊介はコーチングを受けることを決めたのです。