何と不思議な生命(いのち)

『かみさまは小学5年生』という本の119ページに、「あなたの一番の幸せってなに?」という文章があります。それを読んで私は、そのページの余白に「生命(いのち)」と書き込みました。今年(2019年)5月のことです。

私たちは息をしなければ生きていけません。ずいぶん昔の話ですが、私の身内にこんなことがありました。

いとこ(男)が中学生だったころ、坊主頭に大きなバンソウコウを貼っていたので、野球部の練習でケガでもしたのかと彼の母親に聞いたところ、意外な答えが返ってきました。彼は学校の帰りに、次の電柱まで息を止めて歩くと決めたそうです。ところが、その電柱に着くまでに息が苦しくなりました。苦しければ息をすればいいのですが、意志が固い彼は、我慢して歩き続けました。その結果、意識を失って倒れてしまい、頭にケガをしたのだそうです。

私たちは常に、酸素が含まれた新鮮な空気を肺に取り込み、心臓から送り出される血液によって酸素を全身に送り届けます。心臓から送り出される血液のスピードは初期の新幹線並みの速さで、全身に張り巡らされている血管の総延長は、地球を2周半も回れる長さだといいます。

心臓や血管に限らず、私たちの体は、実にさまざまな器官が見事なまでに精巧につくられています。こういった装置は、いったい誰がつくってくれたのでしょうか。

さらに、私たちに欠かすことのできない空気にしても、空気中の酸素濃度は何億年も前から一定に保たれています。空気中の酸素は多ければいいというものではありません。多すぎると火事が起こりやすくなります。少なければもちろん、生きていけません。いったい誰が、この酸素濃度を調整しているのでしょうか。

地球の回転にしてもそうです。地球が地軸を傾けて公転してくれているおかげで、私たちは四季を味わうことができます。自転してくれているおかげで、必ず昼と夜を経験することができます。もし地球が回転を止めてしまったら、夏は永遠に夏となり、昼は永遠に昼となり、地球上に灼熱地獄が出現します。いったい誰が、地球を回転させているのでしょうか。

人間の力を超えたものがあるこのように考えてみたとき、私はそこに人間の力を超えたものの存在を感じるのです。それを私は「神」または「宇宙」と呼んでいます。