私たち人間は、目には見えないけれど確実に存在するものによって、生かされているのではないでしょうか。今、2人に1人がガンになり、3人に1人がガンで死ぬと言われています。このことについてある医師が、

「ガン細胞は1日に5000回発生するけれど、それらは自分の免疫力で殺しているからガンにならない。ところが年を取って免疫力が低下すると、ガン細胞に対してそれまで5000勝0敗だったものが、どこかで取りこぼしが出てしまう。だからガンになってしまうのだ」

という意味の説明をしているのを新聞で読んだこともあります。

この免疫力に対しても神の力を感じます。昔から名医は、「医者が治すのではない。神が治し給うのだ」と言っています。考えれば考えるほど、人間は自分の力で生きているのではないことを改めて思います。

同時に、自分の生命(いのち)というものは、生まれるときも死ぬときも、そして毎日生きていることも、人間の意志を超えた大きな力に配慮されているのだと思うと、自分の中に何とも言えない「深く落ち着いた心」が現れてきます。

それを私は、「宇宙のコンセントにプラグを差し込んでいる状態」だとイメージしています。生命(いのち)の源流に意識を向けると、目に見えない「私たちを生かしてくれている力」とつながるから、自分の中に安心感が生まれるのではないかと思うのです。

宇宙からは、私たちが心身ともに元気に生きられるような力がいつも注がれています。その力と私たちが発する意識の波動と、波長が合いさえすれば、どんどんその力を取り入れて、私たちは元気になっていくのではないでしょうか。電波は目には見えませんが、確かに存在するから、携帯電話で話ができます。私たちが発する意識の波動も、目には見えませんが確実に存在します。

ですから私は、NHKにチャンネルを合わせればNHKの画面が映るように、自分が波長を合わせさえすれば、「幸せ」という画面を映し出すことができると考えています。

でも実際の生活では、私たちは落ち込んだり怒ったり、プラグが宇宙のコンセントから外れているような状態が多いのではないでしょうか。少なくとも私を含めて、自分の家族を見ているとそう思います。

今年(2019年)6月のある朝のことです。自宅の掃除機は毎朝、妻と部屋を分担してかけています。妻の掃除機かけを待つ間のひととき、私は体を休めようと、ベッドに横になりました。そのときふと、手首の脈を取ってみたくなりました。そのときの私は、ひいきにしている広島東洋カープの調子が悪いので、朝から妻にカープの話をしてイライラしていたのですが、いつものように、脈は規則正しく打っていました。

ということは、私が宇宙のコンセントから外れていても、心臓は一瞬も休まずに動いてくれています。私は横になったまま、思わず手を合わせて拝みました。でも常に動いてくれているのは、心臓だけではありません。私の体のすべての細胞が遺伝子の指令に基づいて、より良く生きられるように、休みなく働いてくれているのです。